「入籍したら、何から手続きをすればいいの?」
「名字や住所が変わるけれど、どこに届け出ればいい?」
結婚が決まると、婚姻届だけでなく、本人確認書類や銀行口座、勤務先など、いろいろな変更手続きが必要になります。
スムーズに進めるには、まず婚姻届や引っ越しの届出を済ませ、次にマイナンバーカード・運転免許証の氏名や住所を変更しましょう。その後、変更済みの本人確認書類を使って、銀行口座や各サービスの手続きを進めると、同じ変更を何度も行う手間を減らせます。
ただし、引っ越しや退職に伴う手続きには期限があります。順番にこだわらず、期限の近いものを優先してください。
この記事では、入籍前に準備することから、入籍後の名義変更、引っ越し、健康保険・年金まで、必要な手続きをまとめました。

すべての手続きが全員に必要なわけではありません。ふたりの状況に当てはまるものを確認しながら進めてくださいね。
※この記事では、主に日本国籍のふたりが日本国内で婚姻するケースを紹介します。国際結婚や海外で成立した婚姻の届出は、必要書類や手続きが異なります。
入籍前後の手続きは何から始める?まずは全体の流れを確認

最初に、「名字が変わるか」「引っ越しをするか」「勤務先や健康保険が変わるか」を整理しましょう。
同じタイミングで結婚しても、必要な手続きは人によって違います。
| 状況 | 主に確認する手続き |
|---|---|
| 名字が変わる | マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、銀行、クレジットカード、勤務先などの氏名変更 |
| 引っ越しをする | 転出・転入・転居の届出、本人確認書類や各契約の住所変更、ライフラインの手配 |
| 退職・転職する | 健康保険・年金の切り替え、給与や税金、雇用保険の確認 |
| 配偶者の扶養に入りたい | 配偶者の勤務先で健康保険・年金の条件と手続きを確認 |
| 名字も住所も変わらない | 婚姻届、勤務先への報告、保険の受取人など必要な項目を確認 |
名字が変わらない方でも、婚姻によって本籍が変わる場合があります。運転免許証やパスポートなどは、氏名だけでなく本籍の変更も確認しておきましょう。
また、名義変更は女性だけが行う手続きではありません。名字が変わる方の手続きを中心に、ふたりで役割を分担すると負担を減らせます。
手続きの基本的な順番
- 入籍日・提出先・引っ越し日を決める
- 婚姻届を準備し、勤務先や契約先の必要書類を調べる
- 引っ越す場合は転出手続きやライフラインの手配をする
- 婚姻届を提出し、該当する住所の届出も行う
- マイナンバーカードや運転免許証を変更する
- 銀行・クレジットカード・保険などを変更する
- 変更漏れや新しい書類・カードの到着を確認する
この順番は、同じ手続きを繰り返さずに進めるための目安です。健康保険や年金の切り替え、転入届などは、それぞれの期限を優先してください。
入籍前後にやること一覧|手続き・窓口・期限の早見表

まずは、必要な手続きを一覧で確認しておきましょう。
| 手続き | 対象となる人 | 主な窓口・手続き先 | 時期・期限の目安 |
|---|---|---|---|
| 婚姻届 | 結婚するふたり | 本籍地または所在地の市区町村 | 希望する婚姻日に提出 |
| 転出届 | 別の市区町村へ引っ越す人 | 旧住所の役所・マイナポータルなど | 引っ越し前に準備。受付期間は自治体や申請方法で確認 |
| 転入届 | 別の市区町村から引っ越した人 | 新住所の役所 | 新住所に住み始めてから14日以内 |
| 転居届 | 同じ市区町村内で引っ越した人 | 住所地の役所 | 新住所に住み始めてから14日以内 |
| マイナンバーカードの変更 | 氏名・住所が変わるカード保有者 | 住所地の役所 | 原則、変更から14日以内 |
| 運転免許証の変更 | 氏名・住所・本籍などが変わる人 | 警察署・運転免許センターなど | 変更後、速やかに。マイナ免許証は条件により別の方法あり |
| 国民健康保険の加入・脱退など | 加入先や登録情報が変わる人 | 住所地の役所など | 原則、事由が生じてから14日以内 |
| 国民年金への切り替え | 退職などで第1号被保険者になる人 | 住所地の役所など | 原則、退職日の翌日から14日以内 |
| 健康保険の任意継続 | 退職後も加入していた健康保険の継続を希望し、条件を満たす人 | 加入していた健康保険の保険者 | 協会けんぽは原則、退職日の翌日から20日以内 |
| パスポートの変更 | 氏名や本籍の都道府県などが変わる人 | パスポート窓口・マイナポータル | 変更後、早めに。海外旅行の予定がある場合は優先 |
| 自動車の変更登録など | 車検証の氏名・住所などが変わる人 | 運輸支局・軽自動車検査協会など | 登録自動車の変更登録は変更から15日以内 |
| 銀行・クレジットカードなど | 氏名・住所が変わる契約者 | 各金融機関・サービス | 各社の案内に従い、速やかに |
| 勤務先への届出 | 勤務先の登録情報などが変わる人 | 人事・総務・担当部署 | 社内の提出期限に従う |
※政令指定都市で区をまたぐ引っ越しなどは、届出の名称や方法が異なる場合があります。 ※本人が手続きする場合と、代理人が手続きする場合では必要書類が異なります。
入籍前に準備しておくこと

入籍日・提出先・結婚後の氏と本籍を決める
まずは、ふたりが希望する入籍日と、婚姻届の提出先を決めましょう。
婚姻届は、ふたりのどちらかの本籍地または所在地の市区町村へ提出します。旅行などで一時的に滞在している場所でも提出できますが、受付場所や時間は事前に確認しておくと安心です。
あわせて、婚姻後に名乗る氏と、本籍をどこに置くかも話し合っておきましょう。本籍は住所とは別のもので、結婚後に住む場所と同じである必要はありません。
希望する婚姻日がある場合は、その日に婚姻届を提出します。先に提出して、婚姻日だけを後の日付に指定することはできません。
婚姻届と本人確認書類を用意する
婚姻届は、役所でもらうほか、インターネットでダウンロードすることもできます。
ダウンロードする場合は、役所に提出できる様式か確認し、指定に従ってA3サイズで印刷しましょう。記念用として販売・配布されている用紙は、提出用と異なる場合があります。

当日の基本的な持ち物は、次のとおりです。
- 必要事項を記入した婚姻届
- 窓口に行く方の本人確認書類
- 氏名変更なども行う場合はマイナンバーカード
- 提出先から個別に案内された書類
本人確認書類には、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどを使えます。

証人は成人2名にお願いする。押印は任意
婚姻届には、成人の証人2名による署名が必要です。日本国籍の方であれば18歳以上が対象で、親やきょうだい、友人などにお願いできます。
署名は証人本人に記入してもらいましょう。ふたりで代筆することはできません。
婚姻届の押印は、本人欄・証人欄ともに任意です。「証人は20歳以上」「署名と押印が必須」という古い案内と混同しないようにしてください。
外国籍の方に証人をお願いする場合は、本国法上の成年年齢なども関係するため、提出先へ確認しておきましょう。

婚姻届に戸籍謄本の添付は原則不要
現在は、本籍地以外の市区町村へ婚姻届を提出する場合も、戸籍謄本などの添付は原則不要です。
以前のように、「夫の本籍地へ出すなら妻の戸籍謄本が必要」と、提出先ごとにそろえる必要は通常ありません。
ただし、外国籍の方との婚姻などでは別の書類が必要になります。個別の事情がある場合は、提出予定の役所に相談してください。
また、婚姻届への添付が不要になったことと、結婚後の各種手続きで戸籍謄本が不要になることは別です。パスポートなどは、申請方法に応じた戸籍情報の確認が必要になります。
勤務先への連絡と各サービスの必要書類を確認する
結婚後も同じ職場で働く場合は、人事や総務などの担当部署に、必要な届出と提出時期を確認しておきましょう。
氏名・住所の変更だけでなく、給与振込口座、通勤経路、家族手当、結婚休暇など、会社独自の手続きがある場合もあります。
銀行やクレジットカードなども、事前に公式サイトで変更方法を調べておくとスムーズです。「新しい氏名の本人確認書類が必要か」「旧姓とのつながりが分かる書類が必要か」を確認しておきましょう。
新姓の印鑑は必要になってからでも大丈夫
婚姻届の提出のために、新姓の印鑑を作る必要はありません。
銀行の届出印や実印が必要な方は準備を検討しましょう。ただし、印鑑を使わない口座やオンラインで完了する手続きもあるため、契約先の案内を確認してからで大丈夫です。
結婚を機に引っ越す場合の手続き

別の市区町村へ引っ越す場合は転出届を出す
別の市区町村へ引っ越す場合は、旧住所の役所で転出手続きを行います。
受付期間や、窓口・郵送・オンラインの対応方法は自治体の案内を確認しましょう。窓口で転出証明書が交付された場合は、新住所での転入手続きまで保管しておきます。
マイナンバーカードを利用する転出では、紙の転出証明書が交付されない場合もあります。
マイナポータルで転出届を出せる場合もある
有効な電子証明書を備えたマイナンバーカードなど、利用条件を満たしていれば、マイナポータルから転出届を提出できます。
オンラインで転出手続きを済ませれば、原則として転出元の役所へ行く必要がなくなります。
ただし、転入手続きは新住所の役所で行います。マイナポータルで来庁予定を連絡しても、それだけで転入届が完了するわけではありません。
また、婚姻による氏名変更で署名用電子証明書が失効すると、そのままでは電子署名が必要な申請を進められません。婚姻と引っ越しが重なる場合は、申請の順番と電子証明書の再発行を確認しておきましょう。
引っ越し後は14日以内に転入届・転居届を出す
新しい住所に住み始めたら、原則として14日以内に住所の届出を行います。
- 別の市区町村から引っ越した場合:転入届
- 同じ市区町村内で引っ越した場合:転居届
転入届・転居届は、実際に住み始めてから行う手続きです。新居の契約が済んでいても、引っ越し前に「もう住んでいる」として届け出ることはできません。
婚姻届だけでは、住民票の住所は変更されません。婚姻届に新居の住所を書けば住所変更も終わる、というわけではないので注意しましょう。
入籍予定日が先の場合でも、その日まで転入届などを待って期限を過ぎないようにしてください。
電気・ガス・水道・インターネットも手配する
引っ越し日が決まったら、旧居の停止・解約と、新居の利用開始を申し込みましょう。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 電気・水道 | 旧居の利用停止日、新居の開始日、契約者名と支払い方法 |
| ガス | 利用停止・開始、開栓時の立ち会いの有無 |
| インターネット | 新居の対応回線、工事の有無、開通日、旧契約の解約条件 |
| 賃貸住宅・駐車場 | 解約予告期限、契約者・入居者情報の変更 |
| NHK | 住所・氏名の変更や、同居による契約の扱い |
| 郵便 | 転居届の提出と、各契約先への住所変更 |
郵便局の転送サービスは、届出日から1年間、旧住所宛ての郵便物などを新住所へ無料で転送するものです。転送開始希望日から1年間ではありません。
転居届だけで、銀行や通販サイトなどの登録住所が変わるわけではないため、それぞれの住所変更も進めましょう。
婚姻届を提出するときの注意点

休日・夜間は「預かり」になることがある
多くの自治体では、休日や夜間も婚姻届を受け付けています。ただし、通常の窓口とは受付場所が異なることがあるため、事前に確認してください。
時間外は、その場で詳しい審査をせず、いったん預かる扱いになることがあります。不備がなければ、後日の確認後も提出した日が婚姻日になります。
一方、不備があれば訂正や追加書類を求められます。不備の内容によっては希望日に受理されない可能性もあるため、記念日などに提出したい方は、事前に開庁時間内の窓口で確認してもらうと安心です。
すべての手続きが同じ日に終わるとは限らない
婚姻届と住所の届出を同日に行えると、氏名と住所の変更をまとめやすくなります。
ただし、住民票への反映や新しい戸籍の作成には時間がかかる場合があります。提出した自治体と住所地・本籍地が異なる場合や、休日・夜間の提出では、後日の手続きになることもあります。
「この順番で出せば、必ず当日中に新姓の住民票が取れる」とは限りません。
手続きをまとめたい場合は、事前に役所へ「婚姻届と転入届を同日に出したい」「マイナンバーカードの変更や住民票の取得もしたい」と伝えて、当日できる範囲を確認しておきましょう。
婚姻届受理証明書は、必要な場合だけ取得する
婚姻届受理証明書は、婚姻届が受理されたことを証明する書類です。取得先は婚姻届を提出した市区町村になります。
勤務先などから提出を求められた場合に取得しましょう。全員が用意する必要はありません。
また、戸籍謄本の代わりとして、どの手続きにも使えるわけではありません。パスポートなどの必要書類を自己判断で置き換えず、提出先が受理証明書で対応できるか確認してください。
発行できる時期も自治体や受付状況によって異なるため、婚姻届の提出と同時に必ず受け取れるとは限りません。
入籍後、役所で進める手続き

マイナンバーカードの氏名・住所を変更する
マイナンバーカードを持っている方は、氏名や住所が変わったら、原則として変更から14日以内に、住所地の役所でカードの記載事項を変更します。
本人が手続きする場合は、カードと暗証番号を用意しましょう。代理人による手続きでは、委任状や追加書類が必要になる場合があります。
氏名や住所が変わると、オンライン申請で本人であることを証明する「署名用電子証明書」は使えなくなります。パスポートのオンライン申請などを利用する方は、カードの氏名・住所変更とあわせて、電子証明書の再発行も済ませておきましょう。
なお、カードの変更をするために、必ず先に有料の住民票の写しを取得しなければならないわけではありません。
参考:さいたま市・マイナンバーカードの記載事項変更、横浜市・マイナンバーカードの住所や氏名等の変更
紙の「通知カード」は氏名・住所の変更手続きができない
紙の通知カードは、現在、氏名・住所の変更手続きや再交付を行っていません。
記載内容が住民票と一致しなくなった通知カードは、マイナンバーを証明する書類として使えなくなります。
変更後にマイナンバーの証明が必要な場合は、マイナンバーカードや、マイナンバーが記載された住民票の写しなどを利用します。
ただし、マイナンバー入りの住民票は、番号の提出が必要な手続きに使うものです。銀行の通常の本人確認などに使う住民票とは分けて考え、提出先の指定を確認してください。
住民票や戸籍謄本は、提出先の指定を確認して取得する
入籍後の手続きでは、新しい氏名や住所を確認できる書類を求められることがあります。
ただし、「住民票をとりあえず何枚も取得する」という進め方は、余分な手数料につながることもあります。
取得する前に、次の点を確認しましょう。
- 住民票・戸籍謄本・受理証明書のどれが必要か
- 本籍や続柄の記載が必要か
- マイナンバーを記載する必要があるか
- 原本が必要か、コピーでよいか
- 発行から何か月以内の書類が必要か
- マイナンバーカードやオンライン連携で代用できるか
同じ「氏名変更」でも、提出先によって必要書類が違います。先に確認すると、取り直しを防ぎやすくなります。
実印を登録している方は、印鑑登録の扱いを確認する
結婚したら、全員が印鑑登録をする必要があるわけではありません。
すでに実印を登録している方は、氏名変更や市区町村をまたぐ転出によって、登録が廃止されるか確認しましょう。
旧姓が入った印鑑か、名前だけの印鑑かなどによって扱いが異なる場合があります。登録が廃止され、実印を使う予定がある場合は、あらためて登録します。
「結婚したら全員が作り直す」と決めつけず、住所地の自治体で確認してください。
健康保険・年金の手続きは、働き方に合わせて確認する

同じ会社で働き続ける場合
勤務先へ結婚や氏名・住所の変更を伝え、必要な書類を提出します。
健康保険や厚生年金に関する手続きは、勤務先を通じて行うものがあります。ただし、会社が銀行口座やマイナンバーカードまで変更してくれるわけではありません。
社内の届出と、自分で行う名義変更を分けて確認しましょう。
国民健康保険に加入している場合
国民健康保険に加入している方は、氏名・住所・世帯などが変わった場合の届出を確認してください。
別の市区町村へ引っ越す場合や、勤務先の健康保険に加入する場合、配偶者の健康保険の被扶養者になる場合などは、加入・脱退の手続きが必要になります。
特に、勤務先の健康保険に入っても、国民健康保険の脱退が自動的に済むとは限りません。新しい保険への加入を確認できる書類などを用意し、自治体の案内に従って手続きしましょう。
必要書類は、マイナンバーカードなどの本人確認書類、資格喪失証明書、新しい健康保険の資格が分かる書類など、手続きの内容によって異なります。
受診にはマイナ保険証または資格確認書を使う
従来の健康保険証は有効期限が終了しているため、医療機関では、原則としてマイナ保険証または資格確認書を利用します。
ただし、マイナ保険証を使っていても、結婚・転職などに伴う健康保険の加入や脱退の届出まで不要になるわけではありません。
加入先が変わったら必要な手続きを行い、マイナポータルなどで新しい資格情報を確認しておくと安心です。反映されていない状態で受診する場合は、加入先の保険者や医療機関に相談してください。
参考:厚生労働省・マイナンバーカードの健康保険証利用に関するFAQ
年金の氏名変更と、退職・扶養入りの手続き
マイナンバーと基礎年金番号が結びついている方は、年金の氏名・住所変更の届出は原則不要です。
一方、マイナンバーが登録されていない方などは、変更届が必要になる場合があります。
氏名変更の届出が不要でも、退職したり、配偶者の扶養に入ったりする場合は、年金の切り替え手続きが必要になることがあります。
下の表にある「第1号」は、自営業者など、自分で国民年金の保険料を納める方の区分です。「第3号」は、厚生年金に加入する配偶者に扶養され、年齢や収入などの条件を満たす方の区分です。
| 結婚後の状況 | 年金の確認先・対応 |
|---|---|
| 厚生年金に加入して働き続ける | 勤務先へ変更を連絡する |
| 退職後、厚生年金に加入せず、第3号被保険者にもならない | 原則として20歳以上60歳未満の方は、国民年金第1号への切り替えを確認する |
| 厚生年金に加入する配偶者の扶養に入る | 原則として20歳以上60歳未満で条件を満たす方は、配偶者の勤務先を通じて第3号の手続きを確認する |
| 自営業などで国民年金に加入している | 氏名・住所変更の届出が省略できるか、加入区分に変更がないか確認する |
健康保険の扶養に入れば、誰でも自動的に年金の第3号になるわけではありません。年齢などの条件も確認してください。
参考:日本年金機構・結婚したときの手続き、日本年金機構・氏名や住所が変わったとき
入籍後に行う名義変更・住所変更

運転免許証
運転免許証に登録されている氏名・住所・本籍などが変わった場合は、速やかに変更手続きを行います。
一般的な窓口は、警察署や運転免許センターなどです。変更する内容によって必要書類が異なります。
| 変更する内容 | 確認する書類 |
|---|---|
| 氏名・本籍 | 本籍が記載された住民票の写しなど、警察が指定する書類 |
| 住所のみ | 新住所が確認できるマイナンバーカードや住民票の写しなど |
住民票を提出する場合は、マイナンバーを記載しないものを用意します。氏名変更の内容によっては、変更済みのマイナンバーカードで対応できる場合もあるため、住所地の警察の案内を確認しましょう。
マイナ免許証のみを持ち、事前に住所変更等ワンストップサービスの利用手続きを済ませている方は、市区町村での氏名・住所変更によって、警察への変更届出を省略できます。
本籍の変更も、マイナ免許証のみを持ち、マイナポータル連携などの条件を満たす方はオンラインで申請できます。ただし別の手続きになるため、「マイナ免許証ならすべて自動で変わる」と思い込まないようにしてください。従来の免許証も持つ方は、必要な手続きが異なります。
参考:神奈川県警察・運転免許証の記載事項変更、神奈川県警察・住所変更ワンストップサービス等
パスポート
有効なパスポートを持っていて、氏名や本籍の都道府県などが変わった場合は、変更に伴う申請が必要です。
住所だけが変わった場合や、本籍の変更が同じ都道府県内にとどまる場合は、それだけを理由とする変更申請は不要です。
申請方法には窓口での申請と、マイナポータルを利用するオンライン申請があります。オンライン申請では電子戸籍が連携されるため、通常、紙の戸籍謄本を用意する必要がありません。
ただし、オンライン申請は、婚姻後の戸籍情報が反映されてから行いましょう。名字が変わった方は、事前に役所でマイナンバーカードの氏名変更と、オンライン申請に使う「署名用電子証明書」の再発行を済ませておく必要があります。
窓口で紙の申請書を提出する場合は、変更内容を確認できる戸籍謄本など、窓口が指定する書類を用意します。
受け取りまでの期間は、国内では通常2週間程度が目安です。書類の補正などで長くなることもあるため、旅行直前の申請は避けましょう。
新婚旅行を予定している方は、航空券と実際に使うパスポートの氏名を一致させる必要があります。旅行予約の前に、変更後のパスポートの受取時期も確認しておくと安心です。
参考:外務省・オンライン申請、外務省・パスポートQ&A、神奈川県・本籍や住所に関するFAQ
銀行口座・証券口座
氏名や住所が変わったら、利用している金融機関で変更します。給与の振込先や、家賃・公共料金などの引き落とし口座は、優先して確認しましょう。
銀行によっては、アプリや郵送で氏名変更ができます。窓口でしか手続きできないとは限りません。
準備する書類・持ち物の例は、次のとおりです。
- 新しい氏名・住所が確認できる本人確認書類
- 旧姓と新姓のつながりが分かる書類
- 通帳やキャッシュカード
- 届出印を利用している場合は、その印鑑など
必要なものは金融機関や取引内容によって異なります。届出印を変更する必要があるかも確認してください。
給与口座の名義を変える際は、勤務先にも変更のタイミングを伝えましょう。証券口座やNISA口座などを利用している方は、それぞれの登録情報も確認します。
参考:三菱UFJ銀行・氏名変更
クレジットカード
カード会社の公式サイトやアプリなどで、氏名・住所の変更方法を確認します。
引き落とし口座の名義とカードの登録名義をそろえる必要があるため、銀行とカード会社の両方で、手続きの順番を確認しましょう。
氏名変更でカードが再発行される場合は、到着までの期間や、カード番号・有効期限などが変わるかも確認しておくと安心です。
登録情報が変わった場合は、公共料金やサブスクなどの支払い設定も見直してください。
生命保険・医療保険・自動車保険など
保険会社へ、氏名・住所・支払い方法の変更を届け出ます。
結婚を機に受取人を変更したい場合も、自動では切り替わらないため、別途手続きを確認しましょう。
自動車保険は、同居や運転する人の変更によって、運転者の範囲や年齢条件などの確認が必要になることもあります。ふたりで車を使い始める前に、契約内容を確認してください。
携帯電話・インターネット・各種会員情報
携帯電話などは、契約会社によって、オンライン・店舗・郵送などの対応方法が異なります。
改姓する本人の氏名変更と、契約を別の人へ移す名義変更は、手続きが違うことがあります。結婚による名字の変更であることを伝え、案内に従いましょう。
あわせて、次の登録情報も見直しておくと安心です。
- ネット通販の氏名・配送先
- サブスク・会員サービス
- 航空会社の会員情報
- ジム・習い事・ファンクラブ
- ローン・奨学金
- 国家資格・各種資格の登録情報
資格によっては変更の届出期限があります。仕事で使う資格は、登録先の公式案内を優先して確認してください。
車検証・車庫証明など
車を持っている方は、運転免許証だけでなく、車検証の氏名・住所なども確認してください。
登録自動車の変更登録は、変更があった日から15日以内に行う必要があります。普通車などは運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会などで手続きを確認します。
引っ越しで使用の本拠や駐車場が変わった場合は、車庫証明や保管場所の届出が必要になることもあります。車種や地域によって扱いが異なるため、管轄の警察署などへ確認しましょう。
なお、車に貼る保管場所標章の制度は廃止されていますが、車庫証明そのものが不要になったわけではありません。
参考:国土交通省・変更登録の案内、国土交通省OSS・保管場所標章廃止などのFAQ
結婚を機に退職・転職する場合の注意点

退職後の健康保険を早めに決める
次の勤務先の健康保険にすぐ加入しない場合は、退職後の加入先を確認します。
主な選択肢は、次の3つです。
| 選択肢 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 配偶者の健康保険の被扶養者になる | 収入などの認定条件を満たすか、いつから認定されるか |
| 国民健康保険に加入する | 加入手続き、保険料、必要な資格喪失証明書など |
| 退職前の健康保険を任意継続する | 加入条件、申請期限、保険料 |
協会けんぽの任意継続は、原則として退職日までに継続して2か月以上の被保険者期間があり、退職日の翌日から20日以内に申請することが条件です。郵送する場合は到着期限にも注意してください。
結婚しただけで、配偶者の扶養に自動的に入れるわけではありません。また、配偶者が市区町村の国民健康保険に加入している場合は、会社の健康保険のような「保険料負担のない被扶養者」という仕組みはありません。
扶養の条件は、収入や加入先によって確認が必要です。税金上の配偶者控除などとも別の制度なので、分けて確認しましょう。
参考:協会けんぽ・退職後の健康保険、協会けんぽ・任意継続の加入条件
年金の切り替えも忘れずに行う
退職後、厚生年金に加入しない期間が生じる方は、年金の切り替えも確認します。
健康保険を任意継続しても、厚生年金まで継続されるわけではありません。原則として20歳以上60歳未満の方は、国民年金第1号への切り替え、または条件を満たす場合の第3号の手続きが必要です。
次の仕事が決まっていても、入社まで期間が空く場合は、手続きが必要か確認しておきましょう。
失業手当を受け取るには条件がある
いわゆる失業手当は、退職した人全員が受け取れるものではありません。
働く意思と能力があり、求職活動をしているのに就職できないことや、必要な被保険者期間などの条件があります。
結婚後は仕事を探さず家庭に専念する場合など、受給対象にならないケースもあります。退職理由や引っ越しの事情によって扱いが異なることもあるため、ハローワークで確認しましょう。
参考:厚生労働省・基本手当
退職したら必ず確定申告が必要、とは限らない
結婚や退職をしたことだけで、必ず確定申告が必要になるわけではありません。
ただし、年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合は、確定申告によって納め過ぎた所得税が戻ることがあります。
同じ年に再就職する場合は、前の勤務先の源泉徴収票を新しい勤務先に提出し、年末調整に含めてもらえるか確認しましょう。
給与以外の所得などがある場合は申告義務が生じることもあるため、自分の収入状況に応じて国税庁の案内や税務署で確認してください。
入籍と引っ越しは、どちらを先にするとスムーズ?

手続きの回数を減らしたい場合は、入籍と引っ越しを近い時期にまとめる方法があります。
氏名と住所をまとめて変更できれば、銀行や各サービスでの手戻りを減らしやすくなるためです。
ただし、ふたりの希望する入籍日や仕事、新居の予定を優先して大丈夫です。どちらを先にしても、必要な届出を期限内に進めることが大切です。
| 進め方 | メリットと注意点 |
|---|---|
| 入籍してから引っ越す | 希望する入籍日を優先しやすい。氏名変更の後に住所変更が必要になることがある |
| 引っ越してから入籍する | 新生活の準備を先に進められる。住所変更後に氏名変更が必要になることがある |
| 入籍と引っ越しを近い時期にまとめる | 変更をまとめやすい。ただし、転入届の期限や窓口の受付時間に注意 |
すでに新居へ引っ越していて、婚姻届と転入届を同日に提出したい場合は、窓口で両方の手続きをすることを最初に伝えましょう。
提出順は窓口の案内に従ってください。「必ず婚姻届が先」「転入届が先だと不利になる」と決めつける必要はありません。
入籍前後の手続きでよくある質問

名字が変わらない人は、手続きをしなくていい?
名字が変わらなくても、住所や本籍が変わる場合は、該当する手続きが必要です。
勤務先への結婚の報告や、保険の受取人・家族情報なども確認しましょう。
婚姻届と名義変更を1日ですべて終わらせられる?
すべて終わるとは限りません。
住民票や戸籍への反映、カードの再発行などには時間がかかることがあります。本人確認書類の変更までを先に進め、その後に金融機関やサービスの変更を行うと整理しやすくなります。
婚姻届を出せば、住所や世帯も自動で変わる?
婚姻届だけでは住所は変わりません。引っ越した場合は、転入届や転居届が必要です。
すでに同じ住所で別世帯として暮らしている場合も、婚姻届だけで希望する世帯構成になるとは限りません。同じ世帯にしたい場合は、世帯変更届などが必要か役所に確認してください。
土日や夜間に、マイナンバーカードの変更もできる?
婚姻届を受け付ける時間外窓口で、マイナンバーカードの変更までできるとは限りません。
自治体によって休日開庁の有無や取り扱う手続きが違うため、婚姻届の受付時間とは別に確認しましょう。
配偶者にまとめて手続きしてもらえる?
代理でできる手続きもありますが、結婚しているだけで、すべて代わりに手続きできるわけではありません。
委任状や本人確認書類が必要な場合、本人の来庁が必要な場合があります。マイナンバーカードの電子証明書などは代理手続きの条件も異なるため、事前に確認してください。
職場では旧姓を使い続けてもいい?
旧姓を使えるかは、勤務先のルールによります。
業務上は旧姓を使えても、人事情報や社会保険、給与口座などには別途変更が必要な場合があります。「仕事で使う名前」と「各手続きに登録する名前」を分けて相談しましょう。
名義変更の期限を過ぎてしまったら?
手続きによって対応が異なるため、気づいた時点で担当窓口へ連絡してください。
転入届や保険・年金の切り替えなど、期限のある手続きを優先して相談しましょう。期限を過ぎたら手続き自体ができない、と自己判断で放置しないことが大切です。
まとめ|期限のある手続きを優先し、本人確認書類から順番に変更しよう

入籍前後の手続きは多く見えますが、全員が同じことをするわけではありません。
まずは、名字・住所・勤務先・健康保険のどこが変わるかを整理しましょう。そのうえで、期限のある届出を優先し、本人確認書類、銀行、各サービスの順に確認すると進めやすくなります。
最後に、次の項目をチェックしてみてください。
- 婚姻届と、必要な住所の届出を済ませた
- マイナンバーカードや運転免許証の変更を確認した
- 健康保険・年金の切り替えを確認した
- 勤務先と給与振込口座の情報をそろえた
- 銀行・クレジットカード・保険などを変更した
- パスポートと旅行予約の氏名を確認した
- 引っ越しに伴う契約や郵便の手続きを済ませた
- 新しいカード・書類の到着と変更内容を確認した
分からない手続きは、必要書類をそろえる前に窓口へ確認すると、やり直しを減らせます。ふたりで分担しながら、一つずつ進めていきましょう。



